
最近白髪を見つけることが多くなった、染めるほどではない量だけど白髪が気になる…白髪は気づくと出始めるものです。
特に後ろ側は自分では見づらいため、身近な人に指摘されて初めて白髪の多さに驚くことも珍しくありません。
白髪はシワと並んで、見た目年齢に大きく影響を与えます。
老人のイラストには総じて白髪とシワが描かれていることが何よりの証拠です。
さらに、白髪は疲れている印象も与えてしまいます。
裏を返せば、髪次第で若く活動的な女性に見せることも可能だということです。
白髪を防止し、出てきてしまった白髪をうまく処理することで、マイナス5歳を目指してみませんか?
正しいお手入れで、黒くつややかな髪を手に入れましょう。
目次
白髪って何?何で生えるの〜?
白髪は医療用語では「白毛症」と呼ばれ、部分的に白毛になる「限局性白毛症」と毛髪全体が白くなる「凡発性白毛症」の2種類に分かれています。
白髪のメカニズム
そもそも髪が黒いのは、メラニンという黒い色素がたくさん含まれているからです。
メラニンは日焼けでも使われる用語のため、聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
メラニンの英語スペルは「melanin」で、「melan(o)」が「黒い」という意味です。
黒い色素に関わる言葉が「メラ(n)」で始まるのはこのためです。
髪の根っこの部分は「毛球」と言われ、少し丸くなっています。
この部分が血管とつながっていて栄養を取り込み、細胞分裂を繰り返して髪を作ります。
毛球にはメラノサイトという細胞があり、メラニンを作っています。
髪の毛が伸びるときにメラニンが混じることで髪に色が付きます。
メラノサイトという工場で作られた色素(メラニン)が髪に混ざって黒くなると考えると分かりやすいでしょうか。
何らかの原因でメラノサイトがなくなってしまったり、メラニンの生成を止めてしまったりすると、髪に色素が供給されなくなり、白髪となります。
また、加齢により細胞は死に、メラニンの量は減っていきます。
個人差はありますが、年を取るほど白髪が増えるのはこのためです。
メラニンの仕事
色素としてメラニンの説明をしましたが、美白が叫ばれる現代では悪者と捉えられることも多いようです。
しかしメラニンは我々人間にとって命を守る役割を果たしているのです。
その役割とは「紫外線から体を守る」というもので、バリアのような働きをしてくれています。
紫外線が皮膚に当たるとメラノサイトはその刺激を察知し、メラニンを作ります。
メラニンは皮膚の表面に現れ、紫外線が皮膚の深層までもぐりこんでいくのを防ぎます。
深層にある遺伝子が紫外線によって傷つけられると、がんになりやすくなってしまいます。
「命を守る」といったのは「紫外線から遺伝子を守る」ということなのです。
人種とメラニンの関係
メラニンの量には個人差もありますが、人種による差も大きいため、肌や髪の色に違いが生じます。
白人と呼ばれる人は、黒人や日本人に比べて生まれつきメラニン色素が少ないため、肌が白いのです。
メラニンを作る細胞は網膜にもあるため、白人の瞳は青や緑のことが多く、その場合は黒い瞳の日本人よりも日光を眩しく感じるようです。
白髪はもとに戻らない?
メラノサイトがメラニンを作らなくなる原因など、白髪に関してはまだまだ解明されていない部分も多くあります。
残念ながら、現時点では一度白くなってしまうと黒に戻すことはほぼ不可能と言われています。
(病気によるものなど、一部の場合を除きます)
白髪を作らないよう予防することと、白くなってしまった髪をどう処理するかが重要です。
ウソ?ホント?白髪の噂色々
白髪をなくしたいと思う気持ちは今も昔も変わらないもの。
白髪にまつわる噂とその真偽を検証してみましょう。
かゆいと感じたら白髪が生えてきた
かゆみの原因が炎症だと考えると、間違いとはいえない噂です。
乾燥や薬品(ヘアケア剤)による炎症で、白髪になってしまうことは考えられます。
黒い髪とは違い白髪にはメラニン色素がないため、髪を構成する成分にも違いができます。
白髪は黒髪より固く太くなるけいこうがありますので、生えてくるときに毛穴を刺激するという説もあります。
白髪は抜くと増える?
抜くと増えるなんておかしな話…と思いきや、あながち間違いとは言えません。
白髪といっても、しっかりと生えている髪であることに変わりはありません。
無理に抜くことで毛穴を痛め、白髪の出来やすい環境を作ることにつながります。
また、白髪を抜いても同じ毛穴からは白髪しか生えないことも噂の理由になります。
白髪を見つけて抜くと、その周辺も気になり、気づくと何本かまとめて抜いてしまっています。
同時に複数抜いた場合は、それらの毛穴から生えた白髪が目立つ時期も同じになります。
そのため、増えたと錯覚を起こしてしまいます。
どちらの噂も全くのウソと言い切ることはできませんが、少なくとも「かゆい」「抜いた」は白髪の原因とまでは言えなさそうです。
白髪は悪?アニメキャラに学ぶカッコイイ白髪
白髪は老化のシンボルともいえますが、なぜかアニメやゲームなど二次元の世界では白髪キャラも多く、人気もあります。
2017年公開実写化映画「銀魂」の主人公を演じる小栗旬さんや「東京喰種」の主人公を演じる窪田正孝さんは、漫画のキャラそのままの白髪姿を披露しました。
老化のイメージなど全くない圧倒的なビジュアルに、原作ファンも納得でした。
カッコイイ白髪と疲れた白髪の違いは何なのでしょうか。
髪の色より顔の造形
当たり前のことですが、顔の造形が良ければどんな髪色も素敵に見えます。
アニメキャラの白髪にマイナスイメージがないのはそういった理由も大きくありそうです。
まだら白髪こそ疲れや老いの原因
白髪が増えるほど疲れや老いを感じさせます。
しかし不思議なことに総白髪になる、つまりすべてが白くなると疲れや老いを通り越してカッコよさや美しさがにじみ出てきます。
裏を返せば疲れや老いを感じさせるのは、白髪そのものだけではないということです。
黒い髪にちらほら見える白髪、いわゆる「まだら白髪」こそがその原因なのだということです。
艶のある髪なら白くても美しい
白髪に悩む理由を突き詰めて考えると、白髪が疲れや老いなどのマイナスイメージを伴うことだと分かります。
白髪は黒くすることだけでなく、髪の質や健康の改善にも気を配る必要がありそうです。
白髪の原因は7つ
白髪は老いが原因と言われますが、それだけではありません。大きく分けると7つあります。
対策を練るためにはまず原因から考えてみましょう。
1、老化
白髪の原因としてまず挙げられるのは老化です。
白髪のメカニズムでも説明しましたように、加齢とともにメラニンをつくる細胞が壊れたり、作られるメラニンの量が減ったりすることで白髪が生えてしまいます。
30代から増え、40代になると本格的に気になると感じる人が多いようです。
2、遺伝
珍しいケースではありますが、白髪は子供でも見られることがあります。
俳優の塚本高史さんや瑛太さんも染めなければ白髪が多くあるようで、役によってはあえてそのままで演じたこともありました。
このように若いうちに出る白髪は「若白髪」と言われ、その原因には遺伝が大きくかかわっています。
3、病気
部分的に白髪が生える場合は、尋常性白斑などの病気の症状であることも考えられます。
尋常性白斑はメラノサイトが何らかの原因で減ったりなくなったりする病気です。
病気の治療をすることで色素が再生し、白髪が黒髪に戻ることもあります。この場合は皮膚科への受診が良いでしょう。
4、ストレス
マリーアントワネットの逸話にもあるように、恐怖などの精神的ストレスで一夜にして髪が真っ白になった、という話を聞いたことがある人も多いかと思います。漫画や小説で目にした人もいるかもしれません。
結論から言うと、科学的にはありえない現象です。
白髪は生えるものであって、白く変わるものではないからです。
しかし、ストレスが白髪につながるのは本当です。
メラニン色素を作るメラノサイトはストレスに弱く、ストレスがかかると正常な働きをしてくれなくなります。
またストレスから自律神経が乱れ、白髪につながることも考えられます。
5、紫外線
メラニン色素は紫外線から私たちの体を守ってくれています。
メラニン色素は紫外線を浴びることで分解されてしまいます。
頭髪は最も紫外線を強く浴びますが、肌と違って色の変化が認識しづらく、知らない間にダメージが蓄積してしまいがちです。
6、栄養不足
髪も肌や内臓と同じ、体の一部です。
ダイエットや食生活の乱れで栄養が足りなくなれば、メラニン色素もうまく作られなくなってしまいます。
もちろん栄養過多になってしまうことも問題です。
栄養バランスに配慮することが重要ですね。
7、ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れは男性より女性に多く影響を与えます。
ほてりやイライラなどの更年期症状が有名ですが、抜け毛や薄毛、白髪といった髪のトラブルも更年期障害の症状です。
この場合はまず婦人科を受診してみましょう。
髪に優しく!今日から始める白髪予防
白髪予防の基本は髪に優しい生活です。
髪は抜けていくため、体の一部であることを忘れがちです。
パーマやカラーリングなど、オシャレのためにダメージを与えることも多いので、意識してしっかりとケアすることが大切です。
肌と同じくらいの紫外線予防を
白髪の原因の一つである紫外線から髪を守るためには、肌と同じように日焼け止めをするのが良いです。
長袖やアームカバーで腕を日焼けから守るように、頭は帽子で守ります。
紫外線の強い夏は気温も高いので、通気性の良い素材を選びたいですね。
肌には日焼け止めを塗るように、髪にも日焼け止めのスプレーがあります。
つけすぎは逆にダメージを与えてしまうので、こまめに付け直すようにします。
頭皮用の日焼け止めクリームもありますが、スプレーもクリームもしっかりと洗い流すことを前提に選びましょう。
薬品が頭皮や髪に残るとかぶれやかゆみにつながってしまいます。
ゆっくり休んで
体も心も健康でいるためにはまとまった睡眠が不可欠です。
特にゴールデンタイムと言われる22時から26時(午前2時)の4時間を睡眠に充てられるのが理想ですが、こだわりすぎずに「寝られたらいいな」と思うぐらいにしましょう。
夜は食べすぎないようにしたり、寝る前は強い光を放つスマホやパソコンは見ないようにしたりできると、快眠につながります。
アロマや間接照明で気分を落ち着かせるのも良いですね。
バランスのよい食生活
動物性脂肪や塩分の強いものは、髪にも良くない影響を与えます。
基本は薄味で健康的な食事をとりましょう。
米国サイト「Top 10 of city」が発表した「髪に良い食品」の第一位は「卵」でした。
完全栄養食品と言われるだけのことはありますね。
第二位は「ナッツ類」、
第三位は「牡蠣」で、
牡蠣には白髪の原因となる様々なものに効く亜鉛が多く含まれているため積極的にとりたい食材です。
東洋医学で血行をよくして元気な髪を作るには、「黒ゴマ」が有効だと言われています。様々な料理に使えるので、常備しておきたい食材ですね。
とはいえ毎日牡蠣を食べるのは現実的ではありませんし、ゴマだらけでは飽きてしまいます。
髪に良い食材は積極的に食べるようにしたいですが、何より大切なのはバランスです。
一食のバランスに気を使うことも大切ですが、「朝は野菜がなかったから夜は野菜を取ろう」というように長いスパンで考えるようにして、考えすぎない程度に意識すると良いですね。
サプリで足りない栄養を補う
牡蠣は亜鉛が豊富だと説明しましたが、レバーや牛肉にも含まれています。
しかし体に吸収される量(吸収率)は高くないため、ビタミンCなどと一緒に取ることが勧められています。
牡蠣にレモンの組み合わせは栄養的にも良いということですね。
とりづらい栄養はサプリを利用するのも手です。
外食が多かったり食事の時間がなかなか取れなかったり、忙しくて栄養が必要な人ほど栄養が足りていないことも多くあります。
簡単な食事しかとれなくてもサプリをプラスして、栄養を補いましょう。
ストレスとうまく付き合う
ストレスは体に悪影響を与えることが多いのですが、適度なストレスは毎日を生き生きと過ごすためには不可欠です。大事なのは付き合い方。たまったストレスを上手に発散する方法を見つけましょう。
白髪について考えすぎて、それがストレスになるという悪循環は避けたいので、白髪予防や対策もできることから始めていくと良いですね。
シャンプーのし過ぎは逆効果
清潔な頭皮は美しく強い髪を作りますが、シャンプーのし過ぎは逆に頭皮を痛めてしまうことにつながります。
加齢とともに頭皮の皮脂の分泌が減るため、更年期を迎える女性は特に頭皮の乾燥に気をつけなければいけません。
もちろんワックスやスプレーなどをつけっぱなしにしていては髪に良くないので、きちんとシャンプーはしなければなりません。
頭皮を痛めないようにシャンプーすることと、髪を洗ったあとはトリートメントなどで忘れずにケアをしましょう。
出てきた白髪の対策4つ
白髪を予防する土台を作っても、生えてしまった白髪は黒くなりません。
髪や頭皮を傷めずに、きれいな黒髪に見せるにはどうしたらよいのでしょうか。
抜かずにカット
白髪を抜きたくなる気持ちは分かりますが、抜くと毛穴を痛めてしまいます。
抜かずに根元をカットして目立たなくしましょう。
大きなハサミを使うと周りの毛も一緒に切ってしまいますので、小さいハサミを使いましょう。
眉毛用のハサミはサイズもちょうど良いです。白髪カッターという白髪専用のハサミもあります。
カラースプレー
白髪を黒くするものは色々とありますが、最も手軽なのがカラースプレーです。
髪の表面に色を付けるもので、厳密には染めているわけではありません。
シャンプーで簡単に落とせるので、気になる日だけすぐに染めることができます。
出かけるときに白髪を見つけてしまったら使いたいですね。
お出かけ用の小さなタイプもあるので、携帯すると安心です。
すぐに落とせるので、その日の気分やファッションに合わせて何色か使い分けることもできます。
すぐに落ちるというのはデメリットにもなります。
水に弱いので雨が降りそうな日は使わないほうが賢明です。
もちろん海やプールの日もダメですね。洗うと落ちてしまうので、ずっと黒いままにしておきたい人にも向きません。
白髪染めヘアカラー
一般に「白髪を染める」といった場合は、ヘアカラーを指します。
たいていのヘアカラーはアルカリ剤と酸化剤を混ぜた混合液を乾いた髪に塗ります。
アルカリ剤が髪のキューティクルを開き、混合液が中まで浸透、メラニン色素を脱色し、染料が発色して「染まった」という状態にします。
脱色と染色を同時に行うことで、しっかりきれいに染めることができるのです。
美容院でカラーをすると費用は5000円程度、カットをしても2時間で施術は完了します。
ムラなく染まり、自分の見えない後ろの部分もきれいにしてもらえるので安心です。
ヘアカラー剤はドラッグストアなどでも手に入れることができ、そっちの方がコスパは良いですよね。
クシで塗るタイプや・泡タイプ・クリームタイプなど、自分のやりやすいものを選ぶことで初めてでも簡単に使うことができます。
ヘアスプレーと違って永久染色のため、水に濡れてもシャンプーで洗っても色落ちしないのが最大のメリットです。
デメリットとして挙げられるのは、脱色と染色を同時に行うためにとても強い薬剤を使っているということです。
染色前に皮膚アレルギーテスト(パッチテスト)をして、かぶれを防ぎましょう。
髪へのダメージも大きいので、しっかりとしたケアも必要ですね。
ヘアマニキュア・カラートリートメント・カラーリンス
カラートリートメントやカラーリンスなど色々な名前で呼ばれますが、すべて髪の内側を染めるという意味ではヘアマニキュアと同じです。
ヘアカラーと同様に染色をしますが脱色しないため半永久染色となり、1カ月はもたないようです。
カラートリートメントやカラーリンスには保湿剤などのケア剤が含まれている分、色持ちは短く髪へのダメージは小さいという違いがあります。
ヘアカラーと比べればヘアマニキュアは髪へのダメージが低く、かぶれも起こりにくいため人気が高まっています。
お風呂で染めることができるので、部屋を汚すことがないというのも嬉しいです。
シャンプーするたびに少しずつ色が抜けていきますので、こまめに髪の状態を見て染め直しましょう。
ヘアカラーほどではないにしても薬剤を使うので、髪のケアは必要です。
自分に合った対策を
髪は伸びるものなので、ここに挙げた対策だけでは永久に黒髪を保つことはできません。
伸びてきた白髪の処理をきちんとしないとまだら白髪となってしまいます。
半月に一度は髪の状態を見て、白髪が目立たないかチェックしましょう。
日々のケアと見せ方で目指すはマイナス5歳
髪は1日で伸びるものではないため、今ある白髪とこれから生える髪の両方にアプローチしなければなりません。
紫外線から髪を守り、質の高い睡眠とバランスのとれた食生活にサプリをプラスして元気な髪を作りましょう。
ストレスとは上手に付き合い、適度なケアも忘れずにしてくださいね。
出てきた白髪はカットするか色をつけることで隠すことができます。
ただ黒いだけではなく、美しくつやのある黒髪にすることで5歳は若く見えるはずです。
普段からこまめに鏡を見て、自分の見え方を確認しておきましょう。意識が変わるとさらに素敵な女性に見えますよ。